- 会社命令の転勤、引っ越し費用は出してもらえる?
- そもそも「引っ越し費用」には何が含まれるの?
- 引っ越し費用は全額出るの?それとも一部だけ?
- 扶養家族の人数で金額は変わる?
- 会社が負担してくれない費用って何?
転勤族妻にとって大きな悩み、「引っ越し費用は出してもらえるんでしょうね?」問題。
まさか自腹じゃないよね…? え…?
この記事では、ダイレクトに家計を直撃し、場合によっては夫婦の絆にもヒビが入りかねない「転勤の引っ越し費用」について詳しくまとめました。
悔しい思いをしないため、何より家庭の円満のために、この記事でしっかり知識をつけて大切な家計を守りましょう!
- 元国家公務員
- 転勤族(妻)歴18年・全国引越し13回(記録更新中)
- 2児の母でブロガー兼WEBライター
転勤の引っ越し費用は会社負担の場合が多い
まず結論からお伝えしますと、会社都合の転勤で発生する引っ越し費用は、会社が負担してくれる場合が多いです。
良かった~!
ただし安心するのはちょっと待って!
引っ越し費用をどのぐらい負担してくれるかは会社によってまちまちなんです。
理由は、「民間会社の転勤でかかる引っ越し費用負担」を定めた法律がないため。
極端な話をすると、就業規則や転勤取扱規定で100%社員の負担と決められていれば、会社都合の転勤でもビタ一文もらえません!
さすがに全額社員負担というパターンは極めて少ないですが、思わぬ項目が自腹になっているパターンもありますのでご注意ください。
まずはお勤め先の就業規則や、転勤取扱規定を確認してみてくださいね。
転勤でかかる「引っ越し費用」って何?
厳密な定義はありませんが、一言でいえば「転勤するためにかかった金額すべて」です。
言い換えれば、「転勤がなければ払わずに済んだはずのお金」ですね。
代表的なものだけでも
- 引っ越し業者さんへの支払い
- 転居費用(ハウスクリーニング代や新居の敷金・礼金・仲介手数料)
- 新居の内見にかかった交通費
- 移動にかかった交通費
- 遠方のため途中でホテル泊した際の宿泊代
- 子供の転園・転校で発生した費用(入園金や制服・指定用品代等)
- 新居に持ち込めない家具などの処分代
- エアコンなどの設置費用
- 引っ越しに合わせて新しく買った家具・家電代
- ご近所の挨拶で配る粗品代
エトセトラエトセトラ…金額の大小こそあれ、トータルするとかなりの出費です。
特に引っ越し繁忙期と重なろうもんなら、数十万単位が余裕で飛びます。
ちなみに私が知っている中で過去最高の引っ越し費用額で、離島で100万ちょっと越えの方がいました。
まだ若く転勤慣れしていないのもあって、相場よりかなり割高に見積もられてしまったそう…
もちろん基本的な部分は出してもらえましたが、数十万単位で自費になったらしく、背筋が凍ったのを覚えています。
ご自身が損をしないためにも、どの費用が会社負担になって、どの費用が自腹になるのか、しっかりチェックしておきましょう。
会社負担になることが多い引っ越し費用
引っ越し業者への支払い(実費分のみ)
引っ越し業者さんへの代金です。
退去時のハウスクリーニング代(原状回復費用)
かかった金額を丸ごと出してくれるのではなく、入居時の敷金を充てるのが一般的です。
新居の敷金・礼金・仲介手数料
引っ越し先の賃貸物件で支払う敷金・礼金、不動産業者さんに支払う仲介手数料も会社負担になる場合が多いです。
引っ越し本番の交通費&宿泊費(ホテルに泊まった場合)
会社によって規定が異なりますが、領収書(車移動の場合はガソリン代の領収書)が必要な場合が多いです。
うっかりもらい忘れや紛失に注意してください。
エアコンの取り付け・取り外し
微妙なラインですが、負担してくれる会社も多いです。
自腹になることが多い引っ越し費用
会社の規定上限を超えた金額
基本的に、会社の規定で負担金額の上限が定められています。
上限額を超えると、本来会社負担となる費用でも超過分は自腹になることがありますのでご注意ください。
新居の内見でかかった交通費・宿泊費
会社によっては出してくれることもありますが、自腹になる場合が多いです。
ただ、内見をしないと後々後悔することが多いので、自腹でもできるだけ行った方がいいと私は思います。
どうしても現地に行けないときは、オンライン内見に対応している業者さんがおすすめです。
現地で内見した方がいい理由や内見チェックポイントはこちらから。
退去時のハウスクリーニング代で敷金を超えた分
汚れや破損がひどく、ハウスクリーニング代が当初の敷金を超えてしまった場合、超えた分が自腹になる可能性があります。
日頃から綺麗に使うよう心がけておくと安心です。
我が家は子供が壁に落書きしちゃったのが落とせなくて、痛い出費になりました…
引っ越し業者のオプション料金
引っ越し業者費用で会社が負担するのは「実費分」だけなので、
- 荷造り・荷解きサービス
- 不用品処分
など、いわゆる「オプション料金」は自腹になる場合が多いです。
家具・家電の処分費用
引っ越し前に不要な家具・家電を捨てる際の処分費用も出ない場合が多いです。
転勤族の間はできるだけ少ない物で生活すると引っ越しのとき楽ですし、節約にもなりますよ。
新しい家具・家電の購入費用
サイズ・規格が合わない等で買い替える場合は痛い出費ですが、残念ながら出ないことがほとんどです…。理不尽~!
ペットや特殊な物品(楽器・骨董品等)の運搬費用
運搬に別途料金がかかりますが、別途料金分は自腹になることが多いです。
自家用車に積載する・宅急便を併用するなどで安くできる場合があります。
入居消毒料・鍵交換料・火災保険料
「入居消毒」とは、入居前に部屋を消毒してもらうサービスです(1~2万円が相場)。
鍵交換も、前の住居者が合いカギを作っているかもしれませんので、念のため交換しておくのがおすすめ。
入居消毒料・鍵交換料・火災保険料は自腹になることが多いですが、会社によって出してくれる場合もあります。
転居前後のあいさつで配るプチギフト代・引っ越しハガキ代
基本的に自腹になる場合が多いですが、領収書があれば会社負担になることもあります。
扶養家族が帯同する場合、引っ越し費用の会社負担額は増える?
引っ越し業者への支払いや敷金・礼金、交通費・宿泊費などは、家族分もまとめての請求になりますので、上限額を超えない限り特に変わりません(家族の有無・人数で上限額の設定が違う場合はあります)
ただしホワイティ~な会社の場合、引っ越し費用とは別に、家族向けの手当が支給されることも。イーナー…
会社の規約によりますが、帯同する扶養家族に出る手当として、
- 家族手当:扶養家族の人数・年齢によって一定の額を支給する手当
- 転園・転学手当:子供の入園料や転学費用を支給・補助する手当
があります。
扶養家族への手当は、経費上は「引っ越し費用」とは違う項目です。
こちらも会社によるので、あわせて確認してみてくださいね。
会社が引っ越し費用を負担する場合の注意点
まず大前提として、社員の引っ越し費用=経費ですから、会社側としてはできるだけ削減したいのが本音。
よって、様々な制限や規約を設けています。
気を付ける点としては、
- 会社から引っ越し業者を指定される場合がある
- 複数の引っ越し業者の見積もりを取り、一番安い業者にしなくてはならない
- 支給額の上限が決まっている
- 見積書・領収書の提出が必要
- 引っ越し費用の振込まで時間がかかるため、一旦立て替える場合が多い
などがあります。
特に引っ越し業者は、金額だけでなく口コミや過去の荷物の扱い方などで「この業者さんを使いたい」と思うケースも多いでしょう。
事前に会社の規約を確認し、引っ越し業者の指定があるか、相見積もりは必要かなどをチェックしておくのがおすすめです。
転勤にかかる引っ越し費用のまとめ
会社都合の転勤で引っ越し費用はどこまで出るか、をまとめると
- 法律で保障されていないので、出るも出ないも会社次第、まずは規約をチェックしよう!
- 基本的な部分は会社側が負担してくれる場合が多い
- かかった費用すべてを出してもらえる場合はほとんどなく、自腹分も発生する
- どの項目が自腹になるか知っておくと、普段の生活から対策ができる(部屋を綺麗に使う・物を増やさない等)
- 見積書や領収書は絶対に捨てないで!分からなくてもとりあえず取っとこ!
- 会社によっては引っ越し費用とは別に家族手当が出る場合もある
です。
今更言っても…な話ではありますが、就職するときは福利厚生や引っ越し費用の負担なども調べてから決めるのをおすすめします。
ただでさえ理不尽さを感じることが多い日本の転勤システム。
せめてお金の面で損することのないよう、しっかり知識をつけて対策しておきましょう。
とにかく規約!会社の規約!まずチェック!うっかりミス的な自腹・断固阻止!
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